見ているだけでもワクワクしました最新刊が欲しいです

家族向け（子どもが楽しめそうな）博物館や科学館が紹介されています。おすすめ展示、面白ポイントなど多くの写真が載っているので、こどもと一緒に｢どこに行きたい？」と相談しながら見てるだけでも楽しいです。

美術好きの方に贈る美術館ガイドです。有名な美術館と珍しい美術館が混在している感じを受けました。もっともどの美術館、博物館も素敵です。当方も美術好きですから、ほとんど訪れています。何回も足を運んでいる美術館もありますが、まだ行ったことのない美術館の紹介に出会うとワクワクします。大人の鑑賞に堪えうるような関西にある美術館・博物館を取り上げ、内部空間や周りの美しい景観を掲示し、美術館へのいざないとなるような書籍でした。オールカラーで数ページから2ページまで、本書の編集に従って、ボリュームは違いますが、誌上で体験したかのような感覚を覚えます。ムックを眺めることで美術館に行かなくても訪れたような気分に包まれるわけですが。なお、各館の所蔵作品の写真は少なく、館内の雰囲気や外観の紹介がメインです。本ムックの編集もそうですが、美術館は美しい絵画や彫刻を展示するだけでなく、美術館の存在自体が美的空間となり、鑑賞者の感性に訴え、ステキな空間を演出しています。必然的に良い美術作品が集まっていたり、素晴らしい企画が催されたりするのです。冒頭は、国立民族学博物館です。広さも凄いですが、展示作品の多さは特筆ものです。順路に沿って眺めていると、世界一周したかのような気分に包まれます。写真撮影ができますので、気に入ってよく訪れています。博物館という固い雰囲気が無くて、近未来的な内装でかつオシャレな空間が広がっているわけですから。訪れる価値があります。1977年に開館したわけで、40年以上経っているのですが、古さは微塵も感じません。同館の利用案内が掲載してあり、所在地、電話、開館時間、休館日、入館料など必要な情報が得られます。16pからは、京都にあるアサヒビール大山崎山荘美術館を取り上げていました。天王山の麓にある英国風の洋館の佇まいと内部の設えが落ち着きと格調の高さを示していると言えるでしょう。モネの睡蓮(94p見開きに掲載)だけでなく、陶芸品のコレクションが洋館のインテリアと実にマッチしています。眼下に広がる淀川の流れが楽しめるテラスからの眺めは最高です。作品のある雰囲気、自然の中に共生する建物、そしてそれを愛している人が作り出す豊かな感覚、美術館を巡ることは日常の中に非日常を取り入れる時間なのかもしれません。忙しい生活を送っている人が少し息抜きをかねてこのような美術館、博物館を訪れることでまた次の1歩が生まれることでしょう。眺めているだけで豊かな心が養えそうでした。このような旅も魅力的ですね。

この本を読めば学芸員の方への参考書としては勿論、博物館好きな方々にとっても、もっと楽しくなるかもしれません。ある意味足を運べない今が読むチャンスかも。

　まあ大英博物館って、未開国からの奪略品の山で成り立ってますから、あまりほめたくない存在ですが、人類の文化保存という意味ではそれなりに評価しないといけないでしょう、ねえ。　従来の西洋至上主義的視点からの美術評価を覆す意味からは、なかなか踏み込んだ内容と私は考えます。たとえば、ギリシア文化の独自性などその最たるものでしたから（インドヨーロッパ語族至上主義）、エジプトの影響を強調しているのはある人たちには受け入れがたいのかもしれませんが、私などギリシアはエジプト以上に所詮ペルシア、すなわち古代オリエント文明（非インドヨーロッパ語族：これも古い表現で申し訳ないですが）の二次三次文明にすぎないと思ってますので、痛いところを突いていて刺激的でいいのではと評価してます。

はっきり言ってこれは駄作。色々なメッセージを、無理矢理いっぺんに一つの特番の中に押し込もうとして、失敗したケースだと思います。具体的に駄目な部分を指摘すると、先ず間違った箇所が多い。　　古代エジプトの回では、当時虐げられていた筈のエジプトの民衆が、非常に恵まれた生活をしていたかの様な誇大描写が成されていたり(この当時のエジプトは王が絶大な富と権力を有していた)、また、古代ギリシャの回では、ギリシャ文明は、エジプト文明の模倣だと作品で平然と指摘している。何が根拠かと言えば、ギリシャ人達の極一部が傭兵としてこれらの地に赴き、そこでの見聞で影響された等、曖昧な論証しか成されてない。因みに彼等はエジプトの神殿に落書きを残したとしているが、その落書きはヒエログリフでもなければ、エジプトの民衆文字でもなく、ギリシャ文字で書かれた物である。つまり、これは当時既にギリシャ人の間に文字を使う程の高いアイデンティティーが存在していた事を示している。もっとも、ギリシャ文字のルーツを中東に求める事も出来なくはないが、その文脈とこの話にはタイムラグがある。　　つまり、古代ギリシャ文明は、エジプト文明の影響を少なからず受けました程度なら良かったのですが、余りに乱暴な結論の持っていき方をしたのだと思います。　また、無駄な演出が多過ぎます。某タレントさんを、無理矢理ナビゲーターに置き、その役割もよく分からず、たまに登場させ、大英博物館の中で、エキストラらしき人々が取り巻く煩わしい背景演出の中、少しだけコメントをさせる。このシーン、はっきりいっていりませんよね。後、大英博物館のスタッフらしき人々、大英博物館専属の学者達が、意味もなく出過ぎていて、コーディネーターの役割を果たしてない。日本のテレビカメラの前で、子供みたくはしゃいだり、カメラに映ろうとしたり、観るに堪えない状況で、過去のこの種の特番では、あり得ない様な厚かましさでした。彼らが専門的な学者だと言うなら、もっと分をわきまえ、淡々と解説だけ行い、視聴者に対して気を遣うべきだと言いたいです。これは、たぶん色々な視聴者に配慮する余り、バランスを欠いた内容に仕上がってしまったのだと思います。しかし、捏造史だけは駄目です。長くなりましたが、この種の番組に専門家の中立的視点、控えめな演出による作品への気遣い、NHKには、この二点を原点に帰って取り戻して欲しいです。朝早くにやっている五分の世界遺産は私でも観られます。これが長編のスペシャルになると、何故駄目な内容になってしまうのか理解に苦しみます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　補足　ギリシャ文明礼讃による西洋優越史観に一石を投じたいというアプローチ自体は評価出来ます。しかし、エジプト文明とギリシャ文明には、類似性だけでなく、相違点もかなりある事も事実です。例えば、死生観では、エジプト人達がミイラ作りや死者の書に代表される様な死後の世界に拘ったのに対し、ギリシャ人達にとっては死は比較的軽く、現世謳歌に力点が置かれ、ミイラやピラミッドが作られなかった事実等、根本思想に違いがあります。　

この作品、どうしてもギリシャ文明とエジプト文明の関係の所が引っかかります。この番組の制作者は、何故ギリシャ文明を卑下し、エジプト文明を美化したがるのか。そもそも文明という物は、それぞれの国同士の相互交流によって培われていった物であり、どこかの文明が特別に優れているとかいう話ではないと思います。特に、地中海沿岸のこの地域は複雑で、様々な文明、民族の興亡が繰り広げられた場所でもあり、どの文明がどの文明に対して大きな影響を与えたかなど一概には決められない話だと思います。それを断定的にギリシャ文明はエジプト文明の模倣等と言い切るのは無責任です。まだ学者の論争が続いている内は断定的な事は言わない方が良いですね。もっともギリシャ人とエジプト人の人的交流がかなりあった事は事実だと思います。しかし、文明という物は民族の好みによって変質していく物で、それはその民族のオリジナルの物と捉えるべきです。この作品、ボックスですが、まあまあ観られるのは、最後の、第3集「日本　巨大古墳の謎」位ですかね。